ゾゾゾ変1

『ゾゾゾ変』は、原作 ゾゾゾ、漫画 タダノなつさんの作品です。ゾゾゾは、日本全国の心霊スポットを調査してホラーポータルサイトを作るという壮大な目標を掲げるホラーエンタテイメンㇳ番組で、この作品はその番組制作の顛末を漫画にしたものです。

発起人の皆口がカメラをまわします。

ここから先は、ネタバレで、私なりにあらすじをまとめ、そのあと感想を述べています。ご注意下さい。

メインレポーターは落合。スペシャルゲストのしょーちゃん、スタッフのまーくんといった面々が、心霊スポットと言われる場所にガチで訪れます。どうやらディレクションは皆口が行っているようで、思いつきで落合やしょーちゃんに「ここあやしいのでひとりで30分レポートしてください」などと指示しています。

第一話では、落合としょーちゃんが連れ立ってあるいていると突然落合が姿を消し、しょーちゃん、皆口、まーくんが探しても見つからず、何度落合に電話しても通じず、でもしばらくして見つかった落合のケータイには着信が残っていない、という事象がありました。

ゾゾゾはYoutubeで公開されていますが、私はマンガから入りました。

コメディやホラーって、作品自体はすごく面白くて楽しんだけど、感想を書こうと思うと何故か私の手が止まってしまう作品があります。ジャスミン・ギュさんの『Back Street Girls』とか、うぐいす祥子さんの『悪い夢のそのさき…』など、大好きなのですが、あらすじを書いたり、何がどう好きだったのかを説明しようとしても何故かうまく書けず「おもしろかった」とか「怖くていい」とか「好き」以上のことが思いつかなくて不思議です。木原浩勝さんが原作のマンガも好きなのですが、何故か感想を書こうとすると難しいのです。

ゾゾゾ変(正確には、変は○の中に入っています。)は、ホラーでなんか面白いのないかなー、とRenta!で探し、目について読みました。まだ1巻しか出ていないようで、読み切った後でYoutubeも見てみました。

マンガのホラーはそこそこ読みますが、怖くて読めないときもあります。何が読めないかは自分ではわからず、たとえばつのだじろうさんの作品は、子供の頃、マンガが部屋にあるだけでも怖かった記憶があるせいか、未だに怖くて読めません。でも『山怪談』『怪談百物語 新耳袋』なんかは好きでなんども読んじゃいます。

さて、ゾゾゾ変がおもしろいうのは、Youtubeという原作があって、それを作っている人たちを描いて、撮影の顛末を描いているからかもしれません。

コワモテだけど意外と礼儀正しくて、いつも冷静なしょーちゃんとか、人物がしっかり描かれていて面白いです。確かに後でYoutubeを見てみると、みんなで車座になっているときに不穏な音がしたときなど、落合さんが思わず立ち上がって逃げの態勢に入って「今、音がしたよね!」と叫ぶようなときでも、しょーちゃんは冷静に「しましたね」と語ったりしています。マンガでもちゃんとYoutubeに負けない臨場感と、キャラクターの魅力がはっきり描かれていて、とっても魅力的です。

落合さんも、マンガだけでもいいキャラクターなのですが、マンガを読んでからYoutubeを見ても全然違和感なくて、いい感じです。逆だとまた違うのかもしれませんが。

Youtubeを原作としているマンガだけど、キャラクターがマンガだけでもしっかり成立してて、怖い話もちゃんと怖いのに、皆口さんが「じゃあここはとても怪しいので、一人きりで30分ここに居てレポートしてください」と言い出しそうな気配があると、落合さんたちがサッと目をそらして指名されないようにしたりするなど、ユーモラスなシーンもあって、そんなところも楽しめます。

1巻読んで、もっと見たくて、思わずYoutubeに確認にいってしまいました。マンガとYoutubeは全く違う作品で、どちらをみても面白い。マンガと原作のコラボレーションに感服しました。

ホラーポータルサイトの完成は応援するけど、ガチのところで危険な振る舞いをするゾゾゾのメンバー。呪われて危ない目にあうことなく、健全に(?)ポータル制作、続けて欲しいです。

にほんブログ村 漫画ブログ 漫画感想へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です